こんにちは。
理学療法士の齋藤です。
血液データの正常値・異常値や原因などは調べてわかるけど、リハビリの時に何を気をつければいいかわからない!!
そういうこと結構ありますよね。
したがって、今回は血液データの中から「WBC(白血球)」の異常値で、リハビリの中止基準や禁忌があるのか、他に訓練中に気をつけることなどをまとめて行きます。
WBC(白血球)とは
人間の血液は主に赤血球や血小板・白血球などで構成されています。
その中でも白血球は、細菌やウイルスなどの病原菌から身体を守る働きをする細胞です。
したがって、白血球は主に感染症の指標になります。
白血球数の基準値は
3,300-8,600/μL
の範囲になりますので、この数値より低ければ低値、高ければ高値となります。
高値での禁忌や注意点
WBCが高値の場合は、主に感染症などで身体のどこかに炎症が起こっている状態です。
また感染症以外では、白血病や精神的ストレスでも上昇する場合があります。
では、リハビリが禁忌となる場合はあるのでしょうか。
炎症反応が強く、発熱もしている場合には禁忌となる場合があります。
しかし、WBCの数値だけでは判断することができないため、一度Drに確認を取る必要があります。
したがって、WBCが高値の場合には必ず検温と、局所の炎症初見などのフィジカルアセスメントをすることが重要になります。
またWBCは精神的なストレスでも上昇することがありますので、病室の環境などにも気を配るようにしましょう。
感染での炎症反応であれば、10,000-20,000/μLくらいが多いですが、30,000-50,000/μLまで上昇している場合は白血病の可能性が示唆されますので、早急にDrへ相談するようにしましょう。
低値での禁忌や注意点
WBCが低値の場合は、主に化学療法や投薬などで白血球の生産が低下している状態です。
また感染症でも、重症になると逆に低値を示す場合があります。
WBCが低値でリハビリが禁忌になる場合は、がんリハの場合のみです。
がんリハでは、WBCが3,000/μL以下でリハ中止となります。
その他の注意点としては、WBCの低値は易感染を示しています。
したがって、スタンダードプリコーションの徹底や、リハビリ介入前に感冒症状や発熱がないか確認する必要があります。
場合によってはクリーンルーム対応が必要になりますので、Drと確認を取りながらリハビリを進めて行きましょう。
まとめ
WBCは感染症に伴う炎症を確認する数値として、重要になります。
また同じ炎症を確認できる血液データとして「CRP」がありますので、一緒に確認して検討するようにしましょう。
低値の場合には、易感染が問題になりますので、より徹底した感染症対策が必要になります。
しかし、高値でも低値でもWBCの数値だけでは判断できない場合が多いので、フィジカルアセスメントをしっかりと実施した上で、Drとリハビリのプログラムについて相談することが重要になります。
では本日は以上になります。
また別の記事で、、、