セラピスト向け

理学療法士(PT)を目指す学生必見!! 臨床実習前に心得ておきたい、歩行観察・分析のポイントを解説!!!

 

こんにちは、理学療法士のさいとうです。

 

今日はこれから臨床実習へ行くという学生
いま臨床実習の真っ最中であるという学生向けに

歩行観察・分析のポイントを解説して
いきたいと考えています。

これは実際にPTとして働き始めてからも
使える考え方になりますので
ぜひ参考にしていただければと思います。

 

実習の見学中に、1度は絶対に言われる
「じゃあ、この患者さんの歩行観察・分析してみようか」

私も実習生の時に、散々その質問されました。

その時から思っていたこと...

『いや、わかんねーよ!!( ゚д゚)笑』

しかし、何も答えないわけにもいかず

「クリアランスが低下してる気がします...」

なんて苦し紛れに答えると、バイザーが一言

「で?」

...え?( ・∇・)

 

こんな経験したことがある学生さんも
多いのではないでしょうか。

 

実は歩行観察・分析のポイントは1つだけなんです。

結論から話しますと

歩行観察・分析のポイントは

転びそうか、転びそうじゃないかを見る

これだけです。

このポイント際おさえていれば
バイザーに「で?」なんて
言われなくて済みます。笑

 

歩行観察・分析は教科書に書いてある
正常歩行と違うところを見つける、
間違い探しではない!!

 

学生が、この質問をされた時にやってしまいがちなことは

【正常動作との間違い探し】です。

『立脚後期で股関節の伸展が少なくて、
 あとは膝関節の屈曲角度も少ないと思います。
 足関節での蹴り出しも弱いようにも見えます。』

こんな感じです。

決して正常動作と比べることは、間違いではないのですが
いきなり間違い探しをしてしまうと
問題点が多くでてきてしまいます。

いざその原因となるものを評価するとなると、
評価項目がたくさんでてきます。

そして評価すると
この筋も低下してるしあの筋もその筋も低下してる
さらにここの可動域制限もあるし
あそこもどこも可動域制限がある
他にも感覚も悪いし、疼痛もある...
と永遠と出てきます。

1日のリハビリの時間が限られている中で、
こんなに治療対象があっては
どこから手をつけていいかわからなくなってしまいますね。

 

ポイントを捉えて、評価、治療へ
繋げるための歩行観察・分析を

 

では、患者様にとっての本当の問題点を
見つけるにはどうしたら良いのでしょうか。

 

それは1番最初に伝えた

【転びそうか、そうじゃないか】

を見ることが大切です。

 

これを最初に見ることで、
評価項目の立案から治療プログラム立案まで
無駄なくスムーズに実施することができます。

このポイントを押さえて実施する
歩行観察・分析の手順を説明します。

①転びそうか、転びそうじゃないかを見る

②転びそうな場合、歩行周期のいつ
 どの方向に転びそうなのか
 前額面・矢状面分けて見る

③なぜその歩行周期にその方向に
 転びそうなのか、正常動作と比べ
 原因となる可能性がある、
 筋肉や関節可動域、その他諸々をあげる

④3で出た原因の可能性を精査するための
 評価項目をあげる

⑤評価で低下や異常が認められたものに
 対する治療プログラムを考える

 

実際にこの手順に沿って、以下の動画の患者様で歩行観察分析をしてみます。

 

まずは
①転びそうか、転びそうじゃないかを見る

この人はセラピストに支えられていますが、
介助がなかったら、間違いなく転倒していそうですね。

 

次に
②転びそうな場合、歩行周期のいつ
 どの方向に転びそうなのか
 前額面・矢状面分けて見る

この人は、歩行周期の
左のLR〜Mstあたり(反対側下肢が遊脚に移る時)に
後方へ転倒リスクがあるように見えます。
※前額面はみえないので未評価

 

次に
③なぜその歩行周期にその方向に
 転びそうなのか、正常動作と比べ
 原因となる可能性がある、
 筋肉や関節可動域、その他諸々をあげる。

LR〜Mstの正常では、足関節を背屈へ
股関節を伸展方向へ動かし、重心を前方へ
持っていきます。
この時に必要となる機能は
足関節の背屈可動域、股関節伸展可動域
下腿三頭筋、大臀筋の筋力が必要となります。

※本来ならこの周期ではロッカー機構などが
 関わってくるので、他にも原因は多々ありますが
 今回はわかりやすくするために割愛します。
 その他感覚や中枢的な理由も同様の理由です。m(_ _)m

 

次に
④3で出た原因の可能性を精査するための
 評価項目をあげる

先ほどあげた項目から、原因を特定する評価として
ROM-T(足関節背屈、股関節伸展)
MMT(下腿三頭筋、大臀筋)
これらがあげられます。

最後に
⑤評価で低下や異常が認められたものに
 対する治療プログラムを見つける

例えば、可動域に問題がなく
筋力がどちらも低下していた場合は
これらに対し筋力トレーニングを実施する
ことで、歩行が改善していくと考えられます。

 

このように考えると、歩行観察・分析から
評価、治療プログラムまでの立案が
しっかり繋がってきます。

 

筋力トレーニングの負荷設定のポイントの記事はこちら↓
高齢者に対するレジスタンストレーニングの運動強度は低負荷でいい!
高齢者に対するレジスタンストレーニングの運動強度は低負荷でいい!② スロートレーニング編

 

転倒リスクがない患者様の
場合はどのように考えればいいの?

 

歩行が安定していて
転倒リスクが極めて
少ない人の場合は

次に
【効率の悪い歩行か、そうでないか】を考えます。

歩行が安定していても、
10m歩くのに1分以上かかる
など、実用的な歩行でなければ
生活に生かすことが、できませんね。

 

考える順序は先ほどと一緒で
なぜ効率が悪い歩行となっているのか考え
正常動作と比較し
原因となる可能性のある
機能をあげていき
それに伴って評価項目を考える
そして、治療へつなげていくという流れです。

 

もし効率も悪くない場合は
入院している必要はないので
早急に退院していただきましょう。笑

 

歩行はあくまで、手段であり
歩行を獲得することがゴールではない

 

最後になりますが、
歩行訓練を実施していく上で
私が、1番大切だと考えている
ことを書いて終わりにします。

 

実習生がよく勘違いしていまっていると
思うところなのですが、

リハビリで歩行訓練をしている人の目的を
自立歩行の獲得であると考えてしまうんです。

私も1年目の時に先輩から指摘を受けてました。笑

しかし、歩行はあくまでその人のHOPE・目標を
達成するための手段でしかありません。

したがって、これを見失うと歩行ばっかりやって
患者様のQOLが全然上がらないなんてことにもなりかねません。

もしかしたら、歩行自立が獲得できなくても
その人のHOPEは叶えてあげることが
できるかもしれません。

歩行観察・分析を行う際は
その人が何のために、歩行する必要が
あるのか

その人のHOPEは何で
そのためにどのレベルの歩行能力が必要なのか

そこまで、考えて治療プログラムを提供することで
患者様にとって、より良いリハビリテーションに
なると私は思っています。

 

 

今回の記事は少しわかりにくい表現が
多かったかもしれませんが、
少しでも臨床でのヒントになって
もらえればいいなと思います。

ではまた別の記事で...