こんにちは、理学療法士のさいとうです。
学生の頃からよく聞く「心房細動」という言葉
現象はわかるけど、じゃあ実際リハビリで
何に気をつけたらいいの?
そう思ったことないですか? (O_O)
今回は「心房細動」を有する患者様の
リハビリでのリスク管理について話していきたいと思います。
心房細動とは
まずは、心房細動がなんなのか理解しましょう。
心房細動とは、心房各部分の高頻度で無秩序な電気的興奮によりP波が消失するとともに、心房の興奮が心室へ不規則に伝導するため、リズムが不規則となる状態をいう。
『病気がみえる 循環器』 発行者:岡庭 豊
発行所:株式会社 メディックメディア
まーなに言ってるかわからないですよね!笑
要は、心房で勝手に電気刺激が起きて、不整脈になる状態というわけです。
心房がブルブル震えている感じのイメージでしょうか。
症状としては、動悸や心拍不整・胸部不快感がみられます。
心電図では、P波がみられず基線の細かい動揺を認めます。
さらに、RR間隔が全く不整になります。
治療としては、
レートコントロールやリズムコントロール目的の薬物療法や
カテーテルアブレーションやmaze手術などの根本治療が選択される場合もあります。
さらに、心血管疾患に対するリハビリテーションのガイドラインでは
心房細動患者に対し、運動療法は効果的であることが記されています。
心房細動の発症要因
心房細動が見られた場合は、
発症要因となっている病態を確認することが重要です。
心房細動の要因は大きく3つに分かれます。
左室負荷に起因するもの | ・僧帽弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症・大動脈弁閉鎖不全症・拡張型心筋症・肥大型心筋症・高血圧性心疾患・心不全・狭心症・心筋梗塞・先天性心疾患等の術後 など |
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自立神経活動によるもの | ・甲状線機能更新症 など |
心房筋イオンチャンネルの 変化によるもの |
慢性呼吸器疾患(低酸素血症、アシドーシス)・家族性心房細動(K +チャンネルの機能異常)など |
心房細動の主な発症要因は左房の機械的負荷で、
臨床的には高血圧(左室肥大)がもっとも多いです。
この心房細動の発症因子を的確に把握し、
その発症因子にあったリスク管理を行うことが
心房細動を有する患者様へ介入するときの1つのポイントとなります。
心房細動に対するリスク管理
心房細動は心房が有効に収縮しなくなるため、
左心室に十分な血液を貯められなくなり
心機能が急激に低下して心不全を起こすことがあります。
したがって、介入する場合は心不全を誘発しないよう
バイタルサインのチェックや症状を確認しながら
リハビリプログラムを組んでく必要があります。
心不全のリハビリについては、また別の記事で書くので
今回は説明をカットします。m(_ _)m
次に、心房細動では心房が痙攣状態になり、
血液がうっ滞して、血栓ができやすくなります。
その血栓が心原性脳梗塞を引き起こすことがあります。
したがって、脳梗塞発症のリスクを念頭に置いて
リハビリプログラムを組む必要があります。
また、血栓予防目的で抗凝固療法をすることがあります。
服薬を確認し、ワーファリンなどを使用していないか
確認する必要があります。
使用している場合は、
出血傾向に注意する必要があります。
まとめ
今回は、心房細動のリスク管理について
書かせていただきました。
細かい部分は、また別の記事に書いて行きたいと思います!!
では、今日の要点をまとめて終わりましょう。
・心房細動の発症要因の確認
・心不全に注意
・心原性脳梗塞、出血傾向に注意
今日の記事が、少しでも役にたったら嬉しいです。(*´-`)
ではまた別の記事で、、
参考文献
病気がみえる 循環器.発行者:岡庭 豊 発行所:株式会社 メディックメディア
野原隆司(2012).心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン
リハビリテーション リスク管理.編集:亀田メディカルセンター 発行所:株式会社メジカルビュー社