セラピスト向け

高齢者に対するレジスタンストレーニングの運動強度は低負荷でいい! 

こんにちは、理学療法士のさいとうです。

みなさん1度は聞いたことがある
「筋肥大を目的とするレジスタンストレーニングでは
1RMの70〜90%の運動強度が必要」という言葉

私も学生の頃にそう習っていました。

しかし、いざ臨床に出てみると、
心不全や呼吸器疾患を合併していたり...
そもそも体力が低下している高齢者の方がほとんどだし..
高齢者に対してこんな高強度のトレーニングなんかムリ!!( ;∀;)

 

そう思い運動負荷量について色々調べると
【低負荷でも筋肥大が見込める】ということがわかったので
今回はまとめさせていただきます。

 

筋肥大を目的とするレジスタンス
 トレーニングは低負荷で大丈夫!!

Schoenfeld BJらの低負荷と高負荷の抵抗トレーニング間の
強度と肥大の適応:系統的レビューとメタ分析では

調査結果は、筋肥大が負荷範囲の範囲全体で等しく達成できる

と書いてある。

つまり
【高負荷と低負荷のレジスタンス運動を行った場合、
 筋力および骨格筋量ともに効果に差はない】

ということです。

 

したがってリスクの高い高齢者に対し
わざわざ1RMの70〜90%の高負荷のトレーニングを
実施する必要はないということ!!
知らなかったーーーー(゚∀゚)

 

実際はどれくらいの運動強度で
 どれくらいの回数やれば良いの?

低負荷でも筋肥大が見込めるというのは
わかっていただけたと思います。

しかし、低負荷の運動を10回×3とかやっても
効果的なリハビリとは到底いえませんね...
『新人がよくやっていますが...(p_-)』

結論としては
低負荷(だいたい20〜50%)でも
100〜150回ほど実施すれば
筋肥大はしっかり見込めます。

 

American College of Sports Medicine の
公式ジャーナルでは

【筋力を改善するために運動を開始する高齢者では
 1RMの40〜50%の負荷量でも改善する可能性が高い】

と記載されています。

 

さらに
Csapo Rらの高齢者も筋肉量と筋力に及ぼす中等度の負荷と高負荷のレジスタンストレーニングの影響:メタ分析
では

【十分な回数の反復が行われれば、従来の推奨される
 負荷強度よりも低いRTで十分であり、
 高齢者の筋力を大幅に向上させることができます。】

と記載されています。

ここでいう十分な回数というのは
100回以上と考えてください。

他にも、
1RMの16%でも筋タンパク質の
合成反応を促進するなど
色々な研究で低負荷で
筋肥大が可能なことが証明されています。

 

実際臨床で使ってみてどうか

実際にわたしは低負荷のレジスタンストレーニングを
術後の患者様に対し実施しています。

実際に使っていて感じる、メリットとデメリットを
以下にまとめてみました。

<メリット>
・呼吸器疾患、心疾患を有する患者様にも
 リスクが少ない状態でレジスタンストレーニング
 が実施できる。


”上記のような疾患を有する患者様にはなかなか、
高強度のトレーニングは実施できず
なんとなくな筋トレメニューになりがちですが
低負荷ならリスク管理がしやすく、しっかり
トレーニングが実施できるようになりました。”
 
患者様の負担が少ないので、
 リハビリが苦にならない。


”筋トレが必要な患者様でも、もともと
リハビリに協力的でない人に対し
高負荷な筋トレなんかやらせた日には
『今日はリハビリやりたくないです』
なんて言われていまうことも...
リハビリ拒否の可能性を減らせる
ものメリットの一つと感じます。”

<デメリット>
・時間がかかってしまう

”デメリットはこれにつきます。
1単位20分という時間が決まって
いる中で、1つのトレーニング100回
以上となると結構時間かかります。
なので、自主トレなどをうまく
使いながらリハビリを進めて
行くことが好ましいでしょう。”

 

明日の臨床から根拠のしっかり
 とした負荷設定のリハビリを!!

というわけで、明日からはなんとなくの
負荷量でリハビリを提供するのではなく
しっかりと根拠のもったリハビリを提供
できるのではないでしょうか!!

少しでもこの記事が役にたったと
思っていただければ幸いです!!!

以下に参考にした文献を掲載してますので
詳細な情報が知りたい場合はそちらを
ご参照ください。

ではまた別の記事で...

参考文献

Schoenfeld BJ1, Grgic J2, Ogborn D3, Krieger JW4.
Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis.
J Strength Cond Res. 2017 Dec;31(12):3508-3523. doi: 10.1519/JSC.0000000000002200.

Garber CE, Blissmer B, Deschenes MR, Franklin BA, Lamonte MJ, Lee IM, Nieman DC, Swain DP; American College of Sports Medicine.
American College of Sports Medicine position stand. Quantity and quality of exercise for developing and maintaining cardiorespiratory, musculoskeletal, and neuromotor fitness in apparently healthy adults: guidance for prescribing exercise.
Med Sci Sports Exerc. 2011 Jul;43(7):1334-59. doi: 10.1249/MSS.0b013e318213fefb.

Csapo R1, Alegre LM2.
Effects of resistance training with moderate vs heavy loads on muscle mass and strength in the elderly: A meta-analysis.
Scand J Med Sci Sports. 2016 Sep;26(9):995-1006. doi: 10.1111/sms.12536. Epub 2015 Aug 24.

Van Roie E1, Delecluse C, Coudyzer W, Boonen S, Bautmans I.
Strength training at high versus low external resistance in older adults: effects on muscle volume, muscle strength, and force-velocity characteristics.
Exp Gerontol. 2013 Nov;48(11):1351-61. doi: 10.1016/j.exger.2013.08.010. Epub 2013 Aug 30.