セラピスト向け

リハビリでの循環器疾患に対するリスク管理

 

こんにちは、理学療法士のさいとうです。

本日は循環器疾患に対するリスク管理について
大まかにまとめていきたいと思います。

循環器疾患には生命予後に影響を及ぼす
重大な疾患が含まれるため
他の疾患に比べ、訓練の負荷量など
とても気を使う必要があります。

この記事を読んで、少しでもイメージが
ついてくれればいいと思っていますd( ̄  ̄)

 

循環器疾患で気をつけること

 

循環器疾患を有する患者様に
リハビリを提供する場合の注意事項として

急激に循環動態を変動させるメニューは
できるだけ避けるべきです。

筋トレなど実施する際は、アイソメトリック
は避けることが望ましいです。

 

その他、リハビリ外での日常生活動作にて
循環動態の変動が伴うものに対し
指導をすることがとても大切になります。

 

虚血性心疾患

 

虚血性心疾患とは
冠動脈が何らかの原因で狭窄・閉塞してしまい
心筋が虚血に陥る状態です。

一過性の虚血で「狭心症」
継続的な閉塞が起こり、
心筋の壊死が起こると「心筋梗塞」
となります。

 

狭心症

狭心症の状態では、
心筋は完全には壊死していません。

しかし、この閉塞が20分以上に及ぶと
心筋が壊死し心筋梗塞に至ります。

そのため、安静時に出現する胸部痛が
徐々に増悪している場合や
強烈な胸部痛が出現した場合
早急に対応する必要があります。

また、リハビリ前にカルテで
心電図のST変化や
血液データのCKや心筋トロポニンT
などを確認し、リスクを把握しておきましょう。

 

心筋梗塞

心筋梗塞急性期には
急性期ポンプ失調・不整脈・再梗塞などの問題を生じます。

動悸の訴えや不整脈が見られた際には
心電図にて重大な不整脈が生じていないか
評価することが重要となります。

さらに、発症1週間前後
壊死心筋の除去が始まるため
心筋が脆弱になり、新破裂の危険性が高まります。

そのため、この時期は特に
負荷量の注意が必要になります。

 

心筋梗塞の生命予後の予測としては
梗塞のサイズが大きいほど、
生命予後が不良であると言われています。

心筋梗塞の大きさは血液データの
CKやCK-MBと相関するとされています。

また、心電図のST上昇の程度も参考になるので
カルテから、心筋のダメージの程度を
把握しておくことが重要となります。

 

弁膜症

 

弁膜症は、解放制限による狭窄と
閉鎖不全の逆流があります。

症状としては、動悸、息切れなどがあり
進行すると心不全を呈します。

中でも大動脈弁狭窄症は
突然死のリスクもあるため

胸痛・心不全症状・失神などが
伴った重症症例では、
より注意する必要があります。

 

大動脈弁狭窄症の評価では
心エコーが重要となります。

心エコーでは、血流速度の数値が記載されます。

重症であるほど、弁が狭小化しているので
血流速度が上昇し、生命予後は不良となります。

血流速度が4m/s以上だった場合は
重症となるため、注意が必要となります。

 

心房細動

 

心房細動とは、心房の興奮が心室へ不規則に伝導するため
リズムが不規則になる状態です。

心電図所見ではP波が欠如し、
基線が不規則に揺れている状態となるます。

 

心不全のリスクについては
こちらの記事で詳しく書いてありますので
こちらをお読みください。
⬇︎⬇︎
リハビリでの心房細動に対するリスク管理

心不全

 

心不全とは心臓の気質的あるいは機能的障害により、
心臓のポンプ機能が低下し、心拍出量の低下や
末梢循環不全・肺などのうっ血をきたす病態です。

 

症状としては
呼吸困難・浮腫・頸動脈怒張・肺うっ血
などが見られます。

心不全患者では、心室頻拍や心室細動などが原因で
突然死も多いとされています。

心室心拍や細動の危険性は
心不全の重症度と関連するため
胸部X戦にて心胸郭比・心電図にて不整脈の確認

さらに、Killip分類やNYHA分類などで
評価し、把握しておくことが重要となります。

また、血液データでは
脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)
の確認も重要となります。

 

リハビリを実施する際には、
経過中の増悪も注意する必要がある。

以下に書いてある
過度の運動負荷を示唆する指標を参考に
定期的に評価し、適切にリハが実施できているか
確認することが重要である。

 1.自覚症状
(倦怠感持続・前日の疲労感の残存
同一負荷量におけるBorg指数の2以上の上昇)
2.体重増加傾向
(1週間で2kg以上増加)
3.心拍数増加傾向
(安静時または同一負荷量における心拍数
の10bpm以上の上昇)
4.血中BNP上昇傾向
(前回よりも100pg/mL以上の上昇)

 

また、運動療法の禁忌の基準が
ガイドラインで示されているので、
該当していないか確認し
該当している場合は中止を
考慮する必要があります。

心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン

 

大動脈瘤

 

大動脈瘤とは
胸部・腹部の大動脈が直径1.5倍以上になり
こぶができている状態です。

動脈硬化が疑われる初老期の男女
に好発すると言われています。

 

大動脈瘤のリスクについては
こちらの記事で詳しく書いてありますので
こちらをお読みください。
⬇︎⬇︎
リハビリでの大動脈瘤に対するリスク管理

 

まとめ

 

重篤の循環器疾患では、
患者の生命予後が限られている場合があります。

そのことを考慮して、リハビリによって得られる
メリットとデメリット・リスクを考慮し
プログラムを実施していくことが
重要になると思われます。

リハビリの仕方によっては
患者様にデメリットを与えてしまう
可能性が大いにあります。

しかし、このメリットとデメリットを
しっかり評価し治療ができることが
理学療法の大きな強みであると
私は思います。

 

今回の記事が少しでも
みなさんの役に立てたらと思います。

ではまた別の記事で…

 

参考文献

病気がみえる 循環器.発行者:岡庭 豊 発行所:株式会社 メディックメディア

野原隆司(2012).心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン

リハビリテーション リスク管理.編集:亀田メディカルセンター 発行所:株式会社メジカルビュー社