セラピスト向け

チーム医療での、権威勾配に対する考え方 チームのリーダーたる者、謙虚であるべき理由を解説

 

こんにちは、理学療法士のさいとうです。

 

今日は、チームのリーダーたる者
【謙虚であるべき】

という話を、しっかりとした根拠を
元に話していきたいと考えます。

 

これから、チームのリーダーという立場につく人
上司と関係がうまくいっていない人は
ぜひ今回の記事を参考にして
くれればと思います。

 

チームリーダーという立場上、
 部下には厳しく接するべき!?

 

これから、チームのリーダーという
立場につく人にとって
一度は悩むことになる

『部下には舐められないよう
 厳しく接するべきなのでは...』

今までは、特に立場とか気にせず
仲良くやっていましたが
リーダーという立場になってしまった以上
厳しくしていく必要があるのではないか
と悩んでしまいますね。

 

結論から言うと、

全く厳しくする必要なんてありません。

むしろ、今までより優しくしてもいいくらい。笑

 

なぜそんなに断言できるのか
それは権威勾配という理論が関係してきます。

 

権威勾配とは

 

もともとは航空業界でよく用いられる概念で、
飛行機のコックピットの中での機長と副操縦士の
関係を表したものです。

この機長と副操縦士間における
「権威」の格差がエラーを生む

という理論です。

 

Alkov RAは権威勾配について

・コックピット内の2人の職位に差があるとミスが多くなる
・職位が低い者の約40%が上司の安全性における失敗を報告
・上位者は注意深い思慮なしに下位者の進言を無視しがちである

と報告しています。

つまり勾配が急すぎると、
部下からのトラブルに関する報・連・相が
遅れる傾向から判断が遅れ、
事故になる可能性が高まるということです。

 

これらの理由から、

上司は部下に厳しく接するのではなく
いつでも、気軽に相談してもらえる
ような関係を築くべきなのです。

 

権威は全くいらない?

 

今までの話で、
厳しく接する必要はない
ということはわかっていただけたかな
と思います。

では、権威は全くいらないのでしょうか?

 

権威勾配について、急すぎるのは
問題とされていますが
全くないことも問題としています。

その理由は
統率が取れなくなってしまい
チームとして機能しなく
なる状態です。

 

じゃあやっぱり少しは
厳しくした方がいいんじゃん

いいえ、権威と厳しさは違います。

厳しさでしか、権威を示せない上司など
邪魔な存在でしかありません。

すぐに厳しく怒る人は
人に伝えるスキルや知識を
持っていない人です。

自分の無能さを隠すために、
他人に厳しく怒るのです。

 

本当の権威とは、
取り組む姿勢と結果を示すことで
部下が勝手に認めてくれるものです。

 

そして、その権威を使う時は
自分のためではなく
誰かのため、会社のために

これが、本当のリーダーという者です。

 

チーム医療のなかで権威勾配の
影響を少なくするには

 

医療現場での権威勾配は
To err is humanのなかで
はじめて指摘されました。

もともと医療現場は権威勾配の
急な関係が形成されやすいと
言われています。

 

例えば、医師と看護師
医師とリハビリスタッフ
看護師とリハビリスタッフ

チーム医療のなかでは
誰が上という考えは
もちろんないはずですが

実際の現場は、
職種間の権威勾配が
多々存在しますね。

威張る医師に、気を使う看護師
若手セラピストに強く当たる
ベテラン看護師。
看護師って怖い..笑

 

しかし、医療はあくまで
患者様が中心のものです。
出来るだけトラブルは
避けなければいけません。

医師が怖いから、看護師が怖いから..
そんなこと言っていられません。

でも、医師に向かって
もっと謙虚に振る舞えや
なんて言えるわけないですよね。笑

ではどうするか。

 

自分の権威をあげて、
勾配をゆるくする。

 

要は医師や看護師が、権威を振るってくる
場合はセラピストより知識があり、
経験があると認識しているからですよね。

だとすれば、それらと対等とはいかなくても
こいつは話のわかるやつだと
思わせることができれば
この権威勾配を下からゆるく
することが、可能になります。

 

しかし、この方法は勉強して
ある程度経験も積まなければ
いけないので、時間がかかります。

その間にも、トラブルは起こって
しまうもの。

なので、権威勾配が急な状態でも
伝えなければならない情報は
勇気を持って、
すぐに報・連・相をしましょう。

 

権威は使い方が大事

 

ここまで、厳しくする必要はないと
話してきましたが

実際は、厳しくしなければいけない
場面も当然あると思います。

時にはリーダーであれ、感情的に
怒っていい時もあると思います。

そんな場面でも、
部下から認められている
リーダーであれば、
受け止めてくれるでしょう。

 

そして、厳しく指導するときも
指導する相手の気持ち
はわかってあげてください。

部下は、
この人はわかってくれてる
と感じるだけで、
ついて行きたくなるものです。

 

今日の記事が
少しでも役にたったと思って
いただければ幸いです!!

ここまで、いろいろ
偉そうな話をさせていただきましたが
自分はまだまだ
ペーペーもペーペーです。

いつかいい上司と
言われるような存在になりたいと
思いながら日々努力して
行きたいと思います。m(_ _)m

 

ではまた別の記事で...

参考文献

Alkov RA1 , Borowsky MS , Williamson DW , Yacavone DW .
The effect of trans-cockpit authority gradient on Navy/Marine helicopter mishaps.
Aviat Space Environ Med. 1992 Aug;63(8):659-61.