セラピスト向け

アナトミートレインとは 分かりやすい説明と臨床での使い方

 

こんにちは、理学療法士の齋藤です。

最近臨床でよく聞く「アナトミートレイン」「筋筋膜連結」という言葉。

この筋とその筋はつながっているから、そこが良くないとここも良くないなんてドヤ顔で言っている先輩いますよね(・∀・)
でも実際にしっかりと理解して使えている人はどれくらいいるんでしょうか(・・?)

今日はアナトミートレインのわかりやすい説明と臨床での使い方を書いていきたいと思います!!

筋膜(Fascial)とは

 

アナトミートレインを解説する上で、筋膜(Facsial)はまず知っておかなければなりません。

筋膜(Facsial)についてアナトミートレインでは下記のように述べられています。

全身に及ぶ結合組織の複合体を「筋膜」または筋膜網と呼ぶ。

2016.アナトミー・トレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版 Thomas W.Myers

 

つまり筋膜(fascial)とは、一般的に言われる筋膜を含めた結合組織全体のことを表した単語になります。
※今後この記事では一般的に言われる筋膜と区別をするために、筋膜をFascialと表記します。

そしてこのFascialは全身に張り巡らされており、お互いに影響し合っていると言われています。

筋膜の詳しいことを知りたい場合はこちらの記事も読んでみてください٩( ᐛ )و

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アナトミートレインとは

 

アナトミートレインについて、著者のThomas W.Myersdはこのように説明しています。

アナトミートレインのマップは、全身の筋膜と筋筋膜のリンクに基づいた”コネクションの解剖学”です。アナトミートレインは、個々の筋肉を、それぞれに”意味合い”を持つ機能的複合体へと繋げます。

アナトミートレインの筋筋膜経線は、運動と安定性の相互関係、姿勢と機能における全身のパターンに対する新しい理解を提供します。

Thomas W.Myers

 

私たちが学んできた解剖学・運動学では、骨格上で個々の筋肉を分離して筋機能を説明しています。
これは個々の筋肉の機能や運動学を理解する上では、とても単純でわかりやすいです。

しかし身体における姿勢の機能や、動作中の安定性を説明する上で個々の筋機能だけでは説明がつかないことが多くあり、考察しきれません。
なぜなら個々の筋肉はFascialを介して全身に繋がりを持ち、相互に影響し合っているからです。

そこでアナトミートレインは、全身に張り巡らされたFascialと筋肉を運動や姿勢のパターンから「機能的な繋がりをもつ複合体・連続したライン」として解釈し、新しい視点を提供してくれるものとなっています。

 

7つのライン

 

アナトミートレインを話す上で欠かせないのが筋筋膜ラインです。

アナトミートレインの筋筋膜ラインは大きく分けて7つに分類されています。

・スーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)
・スーパーフィシャル・フロント・ライン(SFL)
・ラテラル・ライン(LL)・スパイラル・ライン(SPL)
・アームライン(AL)
・ファンクショナルライン(FL)
・ディール・フロント・ライン(DFL)

経絡とアナトミートレインの記事より
引用:anatomy trains
これら下肢から頭部にかけての表層のライン、上肢帯・体幹のライン、そして深層のラインが相互に作用しあって姿勢や動作のパターンが形成されています。

各ラインの記事はこちらから

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臨床での使い方

 

まず勘違いしていただきたくないことは、アナトミートレインは治療手技でも、従来の解剖学などを否定するものではありません。
従来の見解や治療手技を補完し新たな視点を与えてくれるものになります。

アナトミートレインにはこのように書かれています。

治療の核心は単なる手技の応用にとどまらず、聴く・見る・感じる・理解する能力にある。少なくともこれが本書の根幹である。

2016.アナトミー・トレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版 Thomas W.Myers

 

したがって、姿勢や動作分析の中で、個々の筋機能での考察に加えアナトミートレインのラインでの考察を含めることでより患者様の本質を捉えることができるようになるものです。

したがってラインだけ覚えて、この筋とこの筋は繋がってるから〜と説明することは間違えではありませんが本質とは少し異なることになります。

例えば脊柱起立筋に疼痛がある腰痛患者に対し、脊柱起立筋のアプローチだけでなくバックライン全体にアプローチを実施する。
これでも十分治療効果は見込めますし、決して間違っていません。

しかしアナトミートレインの本質は、姿勢や動作パターンの分析にあります。
したがって、アナトミートレインのラインを参考に姿勢や生活の動作を分析し、より良い動作を獲得するためのアプローチを実施する。

こうすることで患者様の本質を捉え、より良い治療アプローチを提供できるようになると思われます。

 

まとめ

 

今回はアナトミートレインの解説と臨床での使い方を説明させていただきました。

私はアナトミートレインの著者であるThomas W.Myersのワークショップに何回か参加していますが、その中でトムさんが特に強調していたのは「アナトミートレインは今まであなたが持っている知識や手技を助けて、視野を広げるものである」というものです。

したがってアナトミートレインを知ってあの手技は間違っているや、この知識は古いと決めつけることはトムさんが求めていることではありません。

たまにアナトミートレインの本質を間違って解釈し、勝手に自分のものに変えてしまっている人もいますが…( ;∀;)笑

アナトミートレインを理解することはとても難しいですし、私もまだまだ理解が浅いですが、確実に私の考えにいい影響を与えてくれています。

この記事を読んでアナトミートレインをもっと学びたいと感じてくれた方は、参考書を読んでみたりワークショップに参加して見るといいかもしれませんね!!
アナトミートレインHP:https://anatomytrains.jp
ではまた別の記事で…

参考文献

2016.アナトミー・トレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版 Thomas W.Myers