こんにちは、理学療法士の齋藤です。
今回はアナトミートレインのライン
スーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)の機能やポイントを解説していこうと思います。
スーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)とは?
スーパーフィシャルバックライン(※以下SBL)は、足底から頭頂まで、身体後面全体をつなぎ保護しているアナトミートレインの筋筋膜ラインの一つです。
アナトミートレインの概要を知りたい人はこちらの記事も読んでみてください!


筋筋膜のつながりは以下のようになります。
足底腱膜と短趾屈筋
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腓腹筋/アキレス腱
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ハムストリングス
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仙結節靭帯
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腰仙椎筋膜/脊柱起立筋
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帽状腱膜
人間は屈曲姿勢で生まれてくるため、SBLの発達と共に身体が伸展していき、立位姿勢が保てるようになります。
したがってこのSBLは、姿勢制御に大きく影響を与えることになります。
SBLの姿勢機能
SBLの姿勢機能について、アナトミートレインには以下のように書かれています。
SLBの全体的姿勢機能は、身体を直立伸展した状態に保ち、体前屈位のように屈曲する傾向を防ぐことにある
2016.アナトミー・トレイン 徒手運動療法のための筋筋膜経線 第3版 Thomas W.Myers
つまりSBLは
①身体を伸ばし、いい姿勢をキープする機能
②身体の屈曲を制御する機能
の二つがあるということです。
ではSBLがちゃんと機能していない場合はどのようなことが起こるのでしょうか?
SBLが機能不全になると、Cポスチャーや骨盤前傾、腰椎過前弯、頸部の過伸展など「身体を反らせてしまう」特徴的な姿勢となります。
これらの姿勢により、腰痛や肩こり、頭痛などを誘発することになります。
したがって、腰痛や肩こり・頭痛を訴える患者様にはSLB全体の評価とアプローチがとても重要になります。
またSBLは身体前面のラインであるSFL(スーパーフィシャルフロントライン)とのバランスがとても重要になります。
フロントの筋の過緊張や筋力低下なども合わせて評価するといいですね。
SFLについて知りたい方はこちらも読んでみてください。
SBLとバランス機能
SBLを理解する上で、もう一つ欠かせないことは「後頭下筋群」についてです。
SBLの頸部深層には、後頭下筋群があります。
後頭下筋群は筋組織1gあたり36個の筋紡錘があると言われています。
※大臀筋は1g0.7個
多くの筋紡錘からの感覚情報により、頭位の変化や眼球運動、全身のバランス機能に大きく関わっています。
この後頭下筋群の緊張が高くなることで、正常な感覚情報が得られず、SBL全体の緊張が不良な状態になってしまいます。
したがって、SBLの緊張を正常に保とうとする場合は、後頭下筋群へのアプローチは欠かせないものとなります。
まとめ
今日はスーパーフィシャル・バック・ライン(SBL)についてまとめさせていただきました。
身体後面からいい姿勢を保つ機能を担っている
バランスが崩れると、腰痛や肩こり、頭痛などの症状が出る
後頭下筋群へのアプローチが欠かせない
SBLのどこに特に問題があるのかを、生活習慣や動作観察から考察し、アプローチしていけるといいですね!!
SBLのストレッチなどはまた別の記事で説明します。
ではまた別の記事で、、、