こんにちは、理学療法士の齋藤です。
今回はアナトミートレインのライン
ディープ・フロント・ライン(DFL)の機能やポイントを解説していこうと思います。
ディープ・フロント・ライン(DFL)とは?
ディープ・フロント・ライン(※以下DFL)は、身体筋膜構成の「中心」を形成するアナトミートレインの筋筋膜ラインの一つです。
アナトミートレインの概要を知りたい人はこちらの記事も読んでみてください!


筋筋膜のつながりは以下のようになります。
【最下部】
後脛骨筋/長趾屈筋
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膝窩筋膜/膝関節包
【後下部】
後側筋間中隔/大内転筋/小内転筋
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骨盤隔膜筋膜/肛門挙筋/内閉鎖筋筋膜
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前仙骨筋膜/前縦靱帯
【後前部】
前側筋間中隔/短内転筋/長内転筋
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腰筋/腸骨筋/恥骨筋/大腿三角
【上後部】
前縦靱帯/頸長筋/頭長筋
【上中部】
横隔膜後部/横隔膜脚
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心膜/縦隔/壁側胸膜
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椎前筋膜/咽頭縫線/斜角筋/内側斜角筋筋膜
【上前部】
横隔膜前部
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胸内筋膜/胸横筋
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舌骨下筋/気管前筋膜
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舌骨上筋

DFLは身体を深層から支えている、姿勢制御において重要なラインになります。
また横隔膜が含まれるため、運動中の呼吸リズムなどにも密接に関わってきます。
DFLの姿勢機能
DFLの姿勢機能はいくつかあります。
・内側縦足アーチの構成
・股関節を含む下肢の安定化
・腰椎を前方から支える
・胸部の安定、呼吸リズムの安定
・腹骨盤腔の安定化
・頚部と頭部の安定化
これを見るだけで、DFLの機能がどれだけ重要なものかわかりますね。
ではDFLがちゃんと機能していない場合はどのようなことが起こるのでしょうか?
DFLは身体の深層を支えているので、機能不全になると内側縦アーチの破綻や股関節、体幹など色々な不安定性が現れます。
身体深層筋膜の不安定性は、骨盤と脊柱などの中心構造の破綻が進み、結果として表層のライン全てに好ましくない代償が起こることになります。
したがって、表層のラインの機能不全はDFLも一緒に評価、考察する必要があります。
〈表層のラインの記事はこちら〉






DFLと内臓マニピュレーション
DFLを理解する上で、もう一つ欠かせないことは内臓との関わりについてです。
DFLは骨盤底筋や腰筋、前縦靱帯、横隔膜、胸膜などを通して、内臓と筋膜的なつながりを持っています。
したがって、内臓を直接徒手でアプローチをすることは難しいですが
DFLを介して呼吸や消化、排泄などの内臓系の不良にも働きかけることが可能となります。
また横隔膜脚, 椎体前面,大動脈で囲まれるコンパートメントに腹腔神経叢があり、このDFLに対してアプローチすることで、内臓の不快感や疼痛を改善することも可能になります。
まとめ
今日はディープ・フロント・ライン(DFL)についてまとめさせていただきました。
身体を深層から支えている
身体の安定化に重要であり、機能不全で表層の全てのラインに影響がでる
DFLを介して内臓系へのアプローチが可能
表層の筋膜とDFLは切っても切れない関係にあります。
姿勢評価の際には必ずDFLの評価を忘れないようにしましょう。
DFLのストレッチなどはまた別の記事で説明します。
ではまた別の記事で、、、